- お茶出しが苦手でいつも緊張する
- お茶出しで失敗してしまい立ち直れない
このように悩んでいるなら、本記事が少しは参考になるかもしれません。
わたしは中小企業の総務事務員を5年間経験し、来客時のお茶出しも担当していました。
お茶出しはマナー的な要素が大きく、知らないと恥をかくのではないかという不安や
会社に迷惑をかけられないというプレッシャーでいっぱいになりますよね。
本記事では経験者の立場から、最低限おさえておきたいお茶出しマナーや失敗したときの対処法などを紹介します。
あせらず丁寧に。失敗したら謝る。ミスは繰り返さない。
こんなことを書いています。
よろしければぜひご覧ください。
お茶出しでおさえておくべき最低限のマナー
お茶出しのマナーはたくさんあります。
おいしいお茶の入れ方から、お盆の持ち方まで……細かく挙げれば相当な数になるでしょう。
しかし、すべてのマナーをすみずみまで完璧にやらなければならないとは限りません。
最低限のふるまいで十分と言う会社もあります。
ちなみにわたしが在籍していた会社では、そこまで細かく言われませんでした。
最低限守っていたのは次の4つです。
①上座から出す
お茶を出す順番は上座からが基本です。
お客様が一人のときは、お客様から。
複数人いるときは、もっとも奥に座っている人から出します。
上座から出すというマナーは、他のマナーより優先して意識することが必要です。
②すみやかに退室する
お茶出しはすみやかに行い、会話の邪魔をしないようにする配慮が大切です。
あせる必要はありませんが、マナーにこだわって長い時間ウロウロしてしまうようなら
臨機応変に対処したほうがスムーズです。
③ノックは強すぎず弱すぎず
入室するときのノックはもっとも緊張する瞬間だと思います。
強すぎると耳障りですが、弱すぎても聞こえません。
わたしは弱すぎたらしく「突然入ってきてびっくりするから、もっと聞こえるように叩いてくれ」と注意されました(苦笑)。
強すぎず、弱すぎずという加減がなかなか難しいところではありますが
何度も経験して感覚をつかむしかありません。
④丁寧に感じよくふるまう
どんなに細かいマナーを守っても、雑なふるまいでそそくさと出て行ってしまっては本末転倒です。
入退室では「失礼します」「失礼しました」とはっきり伝えます。
お茶は乱暴に置かず、やさしくそっと置きましょう。
好感をもてる態度は、小細工よりも優先すべきお茶出しマナーです。
こんなときどうする?お茶出しで困ったときの対処法
以上の最低限のマナーを守れば、基本的にはお茶出しで困ることはありません。
しかし、お茶出しにはイレギュラーがつきもの。
ここでは突発的に生じる困りごとの対処法を紹介します。
お茶が足りない
お客様の人数がわからない場合、いくつお茶を用意したらいいのか迷いますよね。
「だいたいの人数分お茶を用意したけれど、入室してみたら足りなかった……」
というケースはあると思います。
お茶が足りなかった場合は、用意した分をお客様に優先し
社員の分は後から用意すれば問題ありません。
社員に「すぐお持ちします」と伝え、一旦下がってすみやかに用意しましょう。
後ろが通れない
わたしが在籍していた会社の応接室はとても狭い部屋でした。
5~6人座れば、歩くのもやっとというほどです。
「上座から出さなければ!」「右側から出さなければ!」とマナーにこだわるあまり
狭いスペースをギリギリ歩いてまで無理やり出そうとすると危険です。
お客様の後ろが通れない場合は「前を失礼します」と断ったうえで
無理せず出しやすい角度からお茶を出しましょう。
お茶を置くスペースがない
入室したら、テーブルの上が書類でいっぱい……ということがあります。
お茶を置くスペースがない場合は、社員に「いかがいたしましょうか」と聞いてみましょう。
「こっちでやるから、お盆ごと置いていいよ」と言われたら、サイドテーブルにお盆ごと置き
「こちらで失礼いたします」と伝えて去れば十分です。
お茶を出す順番を間違えた
誤って社員から先にお茶を出してしまったり、上座ではない人から出してしまったりしても
焦ることはありません。
出している途中で気づいたなら「失礼いたしました」と謝りましょう。
過ぎたことはどうにもならないので、残りのお茶を本来の順番通りに出したら
落ち着いて退室します。
こぼしてしまった
たくさんのお茶を運ぶとお盆が重くなり、安定感を失ってこぼすリスクが高まります。
もっともやってはいけないミスですが、起きてしまったものは仕方ありません。
お客様に謝罪し、すみやかにふきんやティッシュでお茶を拭き取りましょう。
万が一の場合にそなえ、お盆にふきんを用意しておくのがおすすめです。
わたしはお客様にお茶をこぼしてしまったことがあります……。
詳しくは後述しているので、ぜひ参考にしてください(泣)
とにかく緊張する
お茶出しはとにかく緊張します。
「お茶出し程度でなぜこんなにも緊張してしまうのか……」と悩みますよね。
しかし、お茶出しはお客様への誠意を示す行為。
緊張するのは重要な仕事だと認識している証なのです。
前述しましたが、お茶出しに求めるクオリティは会社によって異なります。
そのクオリティは経験が増えるたびにわかっていくものです。
失敗談:お客様にお茶をぶちまけてしまった
わたしが在籍時代におかした最大のお茶出しミス。
それはお客様にお茶をぶちまけてしまったことです。
気のゆるみと無理をしたことが原因
その日はお客様の人数が多く、狭い応接室はますます歩行困難な状態でした。
しかも当時は新型コロナウイルス対策により、テーブルに衝立が。
今だから言える……
衝立のおかげで非常にお茶が出しづらかった。(←言い訳
経験も増え、気がゆるんでいたのでしょう。
片手で持っていたお盆が斜めになっていることに気づきませんでした。
必死になってお客様に謝罪し、ふきんとティッシュを取りに行った記憶があります。
応接室で何度もシミュレーション
お客様と社員は長年知った仲だったようで、その場を難なくやり過ごしてくれました。
その後のトラブルにもならず、気遣いに救われた形です。
しかし起きてしまったことは取り消せません。
わたしがやるべきことは、同じ失敗を二度とおかさないことだと考えました。
お客様が帰った後、社員に改めてお詫びを伝え
さっそく誰もいない応接室に戻りました。
応接室には小テーブルがあったので、お茶が多いときは無理せずお盆を置くことに決めました。
狭い部屋で、お盆を置いて両手でお茶を出す練習を何度もしました。
失敗した後にやるべきこと
失敗した後の行動によって、会社に対するあなたへの信頼や
会社に対する外部からの信頼が変わってきます。
- お客様に心からの謝意を示す「大変申し訳ありませんでした」
- 応接終了後、社員にお詫びする「二度と繰り返さないよう注意します」
- 失敗の原因を検証し、対策を考える
失敗をしてしばらくは落ち込みましたが、それ以来お茶出しにはとても慎重になりました。
クールに出すよりも、丁寧に心を込めて出す。
心を入れ替えてからは二度とこぼしませんでした。
覚えておくといいこと
最後に、お茶出しをよりよくするためのプチ情報をお話しします。
1時間超えたら新しいお茶を出す
応接が長くなっている場合は、タイミングを見て新しいお茶を出す配慮があるといいでしょう。
目安はおよそ1時間が適切です。
ただし、何度も入室する行為は迷惑になる場合もあります。
支障になるようであれば控えたほうがいいです。
ワゴンを検討する
人数が多いとお盆にお茶が乗り切らないこともありますよね。
しかも一人で持つには重く、不安が大きいでしょう。
もしお茶出しに使えそうなワゴンがあれば、利用してみてはいかがでしょうか。
わたしが在籍していた会社は難しかったのですが、もしワゴンがあればお茶出しがうんとラクになっただろうなと思います。
よりリスクが低くスムーズなお茶出しを可能にするものであれば、会社に購入の相談をしてみるのもいいかもしれません。
まとめ:お茶出しは3つの軸で経験を積もう
ここまで経験者の立場から、最低限おさえておきたいお茶出しマナーや失敗したときの対処法などを紹介してきました。
細かいマナーを挙げれば数えきれませんが、最低でも守るべきマナーは「上座から出す」
そしてもっとも大切なのは「丁寧かつすみやかに動く」
さらに「失敗したら丁重に謝り、二度と繰り返さないよう注意する」
この3つを軸に経験を積むことで
お茶出しへの苦手意識は薄まっていくのではないかと考えます。
わたしもお茶出しは苦手かつ盛大に失敗している身ですが
本記事が現役事務員の方にとって少しでも助けとなればうれしいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。