営業電話の丁寧な断り方とは?現役事務員が解説します

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話すより書くほうが落ち着きます。川池です。

本記事は営業電話の対応に悩んでいる事務員さんに向けて書きました。

「断るべきかどうか判断できず、担当者につないでしまい怒られた」
「ミスを引きずって仕事に集中できなくなる」
「事務員としての役目を果たせない自分が情けなく恥ずかしい」
「会社に貢献できていないのではないかと落ち込む」

このように悩んでいませんか?

そうです!これはかつてのわたしです。

正直、今でも感じることはありますけど……(苦笑)

電話応対が大の苦手。
特に営業電話を受けたときは「どうしよう!?」という恐怖でたまらなかったです。

しかし入社1年後には、営業電話の特徴をつかみ
スムーズな対応ができるようになりました。

営業電話を断るコツは「正直に」「はっきりと」「感じよく」です。

営業電話の対応に悩んでいるのはあなただけではありません。
その証拠に「営業電話」と検索すると、たくさんの例文や対策などが出てきます。

本記事では中小企業の事務員を5年間勤めたわたしが、営業電話の断り方について詳しく解説しています。

よろしければぜひ参考にしてください。

もくじ

営業電話をうまく断ることで達成できるメリットとは

営業電話の対応でミスをしてしまうと、苦手意識や恐怖心がますます強くなりますよね。

しかし営業電話をうまく断ることができれば、次のようなメリットがあります。

1.会社の生産性向上に貢献できる

営業電話の断り方をマスターすることで、社員の業務効率アップにつながります。

あなたが営業電話にうまく対処すれば、他の社員にとって対応する手間が省けるからです。

社員は「必要な電話のみ対応すればよい」と安心して仕事に打ち込めます。

業務効率アップは生産性向上に結びつき、あなたも会社に貢献できたことへの満足感を得られるでしょう。

2.事務員としての自信がつく

電話応対は事務員を代表する業務のひとつです。
会社にかかってくる電話の窓口となっている方も多いでしょう。

毎日多様な電話を受ける事務員は、他の社員からすれば「電話応対のプロ」です。
たとえあなたが不安でも、会社を代表してあらゆる電話を受ける経験は間違いなく強みになります。

「会社の中でもっとも電話を受けているのは自分だ」という意識は大事です。

営業電話をスムーズにこなすことができれば、事務員としての自信がつきます。

働きがいを増やしていき、人生の幸福度を高めましょう。

3.気持ちのよいコミュニケーションができる

「営業電話っぽいな……」と感じると、つい後ろ向きな対応をしてしまいがちですよね。

早く電話を切りたい。
しかし一方で「相手を傷つけたくない」「できるだけ丁寧に対応したい」という思いも。

ふたつの感情が交錯し、迷いと焦りでグダグダな対応になってしまうのはよくあることです。

営業電話のスムーズな対応とは、相手を傷つけずに素早く断ることです。
お互い最小限のストレスで終わらせられるよう、気持ちのよいコミュニケーションを心がけましょう。

営業電話をうまく断るために必要なもの

ここからは営業電話の断り方について紹介します。
営業電話を受ける際に必要なものは、大きく分けると次の4つです。

1.経験

「営業電話かどうか判断できず、とっさの対応ができない」というのはよくある悩みです。

わたしも初めはワケがわからず、先輩に「営業電話を判別するコツってあるんですか?」と聞いたことがあります。

先輩の答えは

「経験を積めばわかるようになる」

というものでした。

当時は信じられませんでしたが、次第に電話の雰囲気からなんとなく判別できるようになりました

はじめはたくさん失敗すると思いますが、迷惑をかけた人に謝罪しながらひとつずつ学んでいけばいいのです。

2.態度

どのように断ればいいのか迷ってしまうと、動揺が相手に伝わっているのではないかとますます不安になりますよね。

大切なのは
感じ悪くしない、かつ身がまえていることが相手に伝わるような態度です。

もしあなたが営業電話をかける側の立場なら、どのような気持ちでかけるでしょうか。

他の電話と同様、相手に思いやりを持ち
丁寧かつ毅然とした態度で対応しましょう。

3.主導権

多くの営業電話は初めに「担当者はいるか」と聞いてきますが、中には用件を言わずに質問ばかりしてくる場合もあります。

たとえば

  • お使いのメーカーは?
  • 何年使っているのか?

などといった質問です。

いきなり営業をするより、答えやすい質問を投げかけてコミュニケーションをとろうとしているのだと考えられます。

大事なのは「質問に答えないこと」です。

質問に答えると相手に主導権を握られ、思いどおりに営業を進められてしまいます。

質問されたら質問し返すなど、主導権はつねにこちらが握っている状態を保つのがポイントです。

4.情報管理

情報とは会社情報のこと。
担当者の氏名やメールアドレスなどをさします。

営業電話では「担当者名を教えてほしい」と言われることが多いです。
次回の電話や資料送付がしやすくなり、つながりを築けるからだと考えられます。

わたしの経験でも、担当者名を知っている場合はコンスタントに電話してくると感じました。

「営業電話には会社情報を教えない」という情報管理への心がけが重要です。

担当者名を聞かれた場合でも「◯◯課宛」「〇◯担当宛」と伝えればよいでしょう。

営業電話の具体的な断り方

営業電話の対応に必要なものを確認しました。
ここからは具体的な断り方と判別方法を紹介します。

まずは断り方から。
次の4ステップで実践してみてください。

ステップ1.基本例文は2つだけ

わたしは1年目の頃、様々な事例に対応するためたくさんの例文を覚えようと必死でした。

しかし経験を積むにつれ、次の2つだけを覚えておけばたいていの営業電話は断れるとわかりました。

営業電話を断る基本例文2つ
  • 「恐れ入りますがどのようなご用件でしょうか」
  • 「申し訳ありませんが、すべてお断りしています」

慣れないうちは、まずこの2つをスラッと伝えられるようにすればOKです。

ステップ2.基本例文にプラスアルファ

基本例文の2つをマスターしたら、内容に応じてもう一文を付け加えられるようにしましょう。

たとえば次のような一文です。

基本例文にプラスアルファ
  • 「長年付き合いのある会社がありますので」
  • 「検討の余地はありませんので」
  • 「業務が立て込んでおりますので」

断り方のバリエーションを増やすことで「いかなる理由でも断る」という意思を伝えられます。

ステップ3.迷う場合は保留にする

話を聞いていても、断るべきかどうかなかなか判断ができない場合があります。

「必要な電話かもしれない」と少しでも感じたら、保留にして一呼吸置くようにしましょう。

担当者が在席しているなら相談し、不在の場合はこちらからかけ直すか時間をおいてまたかけてほしいと伝えます。

わたしはかつて「念のため……」と思い担当者に相談したところ、重要な電話だと判明しホッとしたことがありました。

ステップ4.早めに断る

電話の相手が用件を早めに教えてくれたらありがたいのですが、なかなか用件に入ってくれない場合もあります。

たとえば「現在の日本は~の風潮があり、~が問題視されているが、御社も~にお悩みではないですか?」といった感じです。

最後まで聞いてしまうと、あなたも相手も疲れますし時間もムダになります。
しかし話の途中で強引にカットインするのは、思いやりに欠けるようでなかなか勇気がいりますよね。

話が途切れたタイミングや、文脈でキリのいい瞬間などをねらって早めに断るようにしましょう。

営業電話かどうかを判別するコツ

営業電話の判別は経験を積めばできるようになってくると述べました。
ここではわたしの経験から「このような電話は営業電話であることが多い」と考えられる特徴を紹介します。

1.社長名を言わず「代表者の方」と言ってくる

誰かに電話をするときには必ず「◯◯さんはいますか?」と聞くのがマナーです。

もし社長宛であれば「◯◯社長」や「社長の〇◯さん」のように、名前で呼び出します。

名前を出さずに「代表者の方はいるか」と聞いてくるのは営業電話である確率が非常に高いです。

名前を間違えていたり、前社長の名前を言ってくるケースも同様です。

2.あいまいに名乗る

担当者を呼び出す前に自分から名乗ることも、電話応対のマナー。

営業電話の場合、社名をはっきり言わない傾向があると感じました。

たとえば大手企業の名前ばかりアピールするも、実は代理店で
自らの店名を名乗るときだけなぜか早口になる……など。

「何と名乗ったか聞こえない」に加えて「代表者の方いますか?」などど言われたら
営業電話だと判断しましょう。

こんなときどうする?営業電話に困ったときの対処法

営業電話の断り方や判別方法について紹介してきました。

しかし電話応対はイレギュラーなことも多く、必ずしもマニュアルどおりにやればいいというものではありません。

ここからはわたしの経験から「こんなときどうする?」と困ったときの対処法を紹介します。

1.「親展の封書を見てもらったか社長に聞きたい」

親展は本人しか確認できない封書であるため、用件を聞いても「親展なので」となかなか教えてくれません。

営業電話お断りを社長から言われているなら
「親展でも用件をお聞きするように言われております」と正直に伝えましょう。

「封書を見たか」と聞かれているため「お断りしています」と伝えては会話が成立しません。
用件を聞いた上で「検討の余地はありませんので、中身は見ておりません」と伝えるのがおすすめです。

2.用件を言わない

営業電話の対応は、用件を聞くのが必須だと述べました。
しかし中には

  • 「財務の件で」
  • 「書籍の件で」

など、ざっくりとした用件しか教えてくれない場合があります。

大切なのは「財務のどのようなことでしょうか」と粘り強く具体的な用件を聞きだすことです。

それでも濁す場合、わたしは「何かサービスのご案内でしょうか」「営業のご用件でしょうか」とストレートに聞いています。

3.担当者の知り合いをよそおう

用件を聞いても

  • 「名前を言えばわかる」
  • 「例の(約束の)件で」
  • 「先日のご相談の件で」

などと知り合いをよそおったり、会ったことがあるかのような態度をとってきたりする場合もあります。

ほんとうに知り合いかもしれないので、この場合はいったん保留にして本人に確認してみましょう

「知らない」「覚えがない」と言われたら、その旨を正直に伝えたうえで改めて具体的な用件を聞きます。

わたしは一度、営業電話と思い込みしつこく用件を迫ったうえで社長につないだところ「知り合いだ」と言われたことがありました(苦笑)。

4.断っても電話を切らせてくれない

多くの営業電話はお断りの旨を伝えればすぐに終了しますが、中には繰り返し質問するなどなかなか電話を切らせてもらえないこともあります。

どのような話を聞いても選択肢は「断る」の一択であれば、ひたすらにお願いするしかありません。

埒が明かない場合は「申し訳ありませんが、切らせていただきます。失礼します」と伝えて電話を切りましょう。

5.「話だけでも」「資料だけでも」と言ってくる

断る旨を伝えると

  • 「話だけでも聞いてほしい」
  • 「資料だけでも見てほしい」

などと言ってくる場合があります。

「それだけなら……」とつい聞いてしまいそうですが、はっきりと断りましょう。

繰り返しになりますが、つながりを作らないようにすることが大事です。
断るつもりで聞いていては、相手の時間も無駄にしてしまいます。

6.同じ相手から何度もかかってくる

電話応対に慣れてくると「以前にもかけてきたことのある会社だな」とわかるようになります。

たいていはそれでも基本例文を使ってお断りしますが、週に何度もかけてくるなど頻繁な場合は「先日もお断りしました」と伝えましょう

営業電話をうまく断るために準備すること

営業電話への対応は基本的なものからイレギュラーなものまであるとお話ししました。
最後に日頃から準備しておくべきことを考えてみましょう。

1.マニュアル整備

営業電話の基本的な対応についてはマニュアル化し、必要に応じて所属内で共有することがおすすめです。

イレギュラーな対応をした場合はメモを残すようにすれば、次回の参考になります。

電話応対の担当があなたしかいない場合は、自分だけのスペシャルマニュアルを作れますね。

2.社長や担当者との情報共有

得意先以外の電話がかかってきた場合、どのように対応するか
社長や担当者と話し合っておきましょう。

  • 「このような電話があったのでお断りした」
  • 「◯◯という人から電話が来たらつなぐように」

など、細かく情報共有できている状態がベストです。

3.得意先は電話帳に登録

ナンバーディスプレイ機能のある電話を使っている会社も多いと思います。

得意先を電話帳に登録しておけば、電話をとる際に業者名が表示されるので安心です。

未登録の番号が表示された場合は「営業電話かもしれない」と心の準備ができるため、スムーズな対応につながります。

まとめ:営業電話の断り方は「正直に」「はっきりと」「感じよく」

ここまで営業電話のスムーズな断り方について、経験談をふまえて解説してきました。

繰り返しになりますが、営業電話の断り方は
「正直に」「はっきりと」「感じよく」がポイントです。

会社で「一切の営業電話は断る」「用件を聞かない限り社長には電話をつながない」と決まっているのであれば、正直かつ明確にそう伝えるしかありません。

営業電話をかけてくる相手もあなたと同じ1人の労働者です。
コミュニケーション能力を磨くチャンスだと思い、相手に感謝しながら丁寧に対応しましょう。

本記事が営業電話の対応に悩むあなたにとって少しでも助けとなれば幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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